聖書 ルツ記3章1節~18節、マタイによる福音書19章1節~12節
説教 平和の共同体の心得「結婚と独身」

本日は聖霊降臨をお祝いする記念日となっています。聖霊が弟子たち一人ひとりに注がれることによって、聖霊が語らせるままに他の国々の言葉で語りだしたという出来事が起こりました。この出来事が教会が誕生したと解釈し、キリスト教では祝祭日としています。この日は、ユダヤ教では五旬祭という麦の収穫を祝うお祭りの日と伝統的に祝われていました。聖霊降臨はイエスの昇天から50日目、五旬祭は過ぎ越し祭から50日目ということでラテン語で50を表すペンテコステと呼ばれています。
 さて、本日のルツ記ですが、ボアズという人との婚約の場面がでてきます。ルツは子のない未亡人での姑ナオミ(こちらも未亡人)とともに当時の社会保障制度のような習慣、落ち穂拾いに助けられてどうにか暮らしていました。そこにナオミの夫の親戚の裕福なボアズが現れ、ルツと結婚することになるのです。ルツ記3章は婚約の場面ですが、麦の刈り入れ時にあたり、この時がちょうど五旬祭にあたっていたのにはちょっと驚かされました。意図せず、本日の礼拝で読むルツ記の箇所が五旬祭と関係していたからです。また、ルツの結婚は姑ナオミが考え、ナオミの指示にルツが従ったものでした。ルツとボアズも好意をもっているもの同士です。当時の律法にも従ったものでした。この結婚によってルツもボアズもナオミも当時の地域社会も祝福されることでした。そして、ルツとボアズに生まれる子どもオベトはダビデの祖父となり、イエスキリストの系図を構成することになります。ルツとボアズの結婚は全人類の救い、祝福へとまで繋がる出来事となります。
 結婚は、それぞれ個人、家族、地域社会、あるいは時代を超えた全人類の救い、祝福へと繋がる出来事であるということを本日のルツ記から受け止めることができます。
 また、本日のマタイによる福音書には、離婚の問題、独身者の問題が示されています。不当な結婚の場合は離婚することもあり得ること、独身者もあっていいこと、天の国のために独身でいるものさえいるということを語っています。
 以上のことから結婚、独身はそうすることによって、個々人、家族、地域社会、さらに全人類が祝福されていくことであるというように受け止めています。全人類の祝福、これが、ペンテコステの出来事を通して神様が私たちに示してくださった神様の私たちへの思いなのかもしれません。

みなさまの祝福をお祈りします。