聖書 ネヘミヤ記4章1節~5章17節
   マタイによる福音書5章43~48節
説教 平和の共同体の心得「非戦」 

バビロニア捕囚以後の聖書、エズラ記、ネヘミヤ記などはとても興味深いです。なぜなら、異教の国ペルシャ王国の支配下にありつつ、イスラエルの神の神殿再建がなされているからです。一神教と言いながらその存在は他宗教に支えれているとも読めて非常に興味深いです。イエスの時代もローマ帝国の支配下にありましたから、聖書はユダヤ教は他宗教に支えられながら継続してきたというようにも読めるからです。

さて、そういう背景で、本日のネヘミヤ記には神殿の城壁の修復がなされたことが描かれています。ネヘミヤを指導者としてボランティアで老若男女、職種の別なく行われました。参加したくない人は参加しませんでした。また、殺意のある暴力、武力で妨害するペルシャの役人やユダヤ人もいました。それに対し、ネヘミヤも武力を用意し、警戒しました。敵に対し、抑止力で対抗したようです。

イエスの時代になりますと、敵に対しては、「敵を愛し、自分を迫害する敵のために祈りなさい」(マタイ5章44節)となります。抑止力による平和の明らかな否定。なぜ、こう言い切れるのか、これを聞いた人々は驚き、言い伝えたのでしょう。おそらく、イエスは、神の力を信じていたのでしょう。敵にも必ず神の愛が伝わると。敵も改心して敵を愛するようになるだろうと。そして、人類に平和を実現するには敵を愛し、自分を迫害する者のために祈るしかないと。

みなさまの祝福を祈ります。