説教要旨
「よこしまで神に背いた時代の者たちはしるしを欲しがる」(マタイ12:39)。現代は、邪悪な時代、神に背く時代、愛さない、人を大切にしない、人を信頼しない、そのような時代なのかもしれません。ああ、そのような私と世を憐れんでほしい。
「ここに、ヨナやソロモンにまさるものがある」(マタイ12:40-42)。信仰的なしるしはヨナによって示され、現世ご利益的しるしはソロモンによって示されているのかもしれません。しかし、そのヨナやソロモンに勝るものがあるとイエスが宣言されます。信仰的なしるしや現世ご利益的なしるしよりも勝ることを与えることができるものがここにいる、とイエスはそう語られているのではないでしょうか。
「自分たちの“生”を大切にすること」、これを愛とも言いましょう。このとによって、私たちが、悔い改めたニネベの方々や遠い他国の女王が現実の諸問題を解決するような知恵を得たということより、素晴らしいことを期待できるということを、本日の聖書の箇所(マタイ12:38-42)に私は見出します。
よこしまで神に背くこの私と世であるけれども、むしろ、そうであるからこそ、イエスが共にいて下さる、このときには、決して、愛は滅びない、人を大切にする奇跡と知恵は続いていくと思うのです。その奇跡はヨナに勝り、その知恵はソロモンに勝る、そして、そのイエスと共にいる我々の喜びは計り知れない、と思うのです。