聖書 列王記上2章3章1~28節(旧約p531)
ルカによる福音書12章22~34節(新約p132)
説教 平和の共同体の心得「揺るぎない国とは」
国家の政治家は理想の国を目指して国家作りをしているのではないでしょうか?非軍事国家を目指すのか、軍事国家を目指すのか、それぞれ個人の考えは様々なのだと思います。安倍政権は軍事国家を理想としているように思います。平和を作り出すために軍備が絶対必要と考えているように思えてなりません。これは間違っていると思います。
本日の列王記にはイスラエルの王国の絶頂期であるソロモンについて書かれています。ソロモンはエジプトの王ファラオの婿になりました。エジプトとの同盟を結んだようです。これは軍事同盟でしょう。軍事力で敵なしとなったと思われます。更に彼は人を裁く名将でもありました。その例として2人の遊女が一人の赤子を自分の子だと主張した裁きが上げられています。ソロモンは剣で赤子を2つに切り裂き、半分ずつに分けるように家来に命じました。すると、本当の母親はどうか止めて、相手に渡してくれと話したと言います。そこで王は子の命を助けてくれと申し出た方が母親だと判決を出したという話です。ソロモンにはこのような善悪を裁く知恵に長けてもいました。軍事力と善悪を裁く知恵、これが王国を絶頂期にした要因であったと私は受け止めています。しかし、この話の中に、ソロモンが見た夢が書かれていました。神からソロモンは「何でも願うがよい。与えよう。」と言われ、「善悪を判断することができるように」とソロモンは求めます。その求めに神は感心され、善悪を判断する賢明な心はもとより、富と栄光も与える、そして、「わたしの掟を守って歩むなら長寿も恵もう」と語ったという夢です。
私はここで聖書は次のようなことを語っているように思います。「この世の現実的な国は軍事力と善悪を判断する力が必要であると人々は考える。しかし、神は民に十戒を中心とした主の掟を守って暮らすことを求めているのであって、国家の形成のための十戒がないがしろにされたのでは意味がない。」実際イエスエルはこの後滅びの道を歩んでしまいます。その原因は神に従わなかったからだと聖書編集者は見做しているようです。
さて、新約聖書には国については、神の国を我々の国家(共同体)に変わるものとして提示していきます。本日のルカ福音書には命のためには神の国を求めよと言います。そして、神の国を求めれば神はすぐに神の国を提供するというのです。それは経済的には施しをすること(ルカ12:33)です。弱者救済、弱食強肉の世界、福祉国家ということでしょう。そして、そういう活動が「擦り切れることのない財布」を作ることでもあり、「尽きることのない富を天(神の国)に積む」ことにもなると語っているのです(ルカ12:33)。福祉国家こそ揺るぎない国だとイエスは語っているように思います。
軍事と人間の善悪を判断する知恵による国家は、いかに優れていようとも、いずれ滅びるというのが旧約聖書からのメッセージです。イエスは神の国を紹介し、施しよりなる国であると語り、それは永遠に続く揺るぎない国だと私たちに教えてくれているように思います。これは知恵の中の知恵、秘儀、奥義、神業なのでしょう。
軍事ではなく福祉を目指して国つくりをしましょう。憲法9条を改正して軍国家したい安倍さんは、聖書的思想から、完全に間違ってる、ああ、情けありません。
みなさまの祝福を祈ります。