サムエル記下21章15-23章38節(朗読22章1-4)、ヨハネの福音書4章14節 平和の共同体の心得「主は命の神」 ニュースなどをみていると、日本は軍国化に走ろうとしているように思いますが、聖書全体を通してみても、本日のサムエル記の個所やヨハネ福音書の個所からも見ても、命を破壊する結果に繋がる誤ったことをしていると思わざるを得ません。 本日のサムエル記にはダビデが強敵ペリシテ軍を破り、名実ともにカナンの地にイスラエルの王国が君臨したことが記されています。武勇伝が記され、37名の勇士の名前も記されています。軍を強くするにはダビデ王の部下の多くが戦術に優れていなくてはならないことがわかります。ダビデはそういう名将に恵まれイエスラエルのダビデ王国を建てることができたのでしょう。一方その記事と平行してダビデの感謝の歌やダビデの言葉が記されていますが、それらは神を自分の救いや砦、命と言っているではありませんか!たとえば、「主は私の岩、砦、逃れ場(22:2)」、「主は命の神(22:47)」「神と共にあってわたしの家は確かに立つ(23:5)」などです。これらのことから、サムエル記は、一般に考えられているような、軍隊が人を守り、命を繋ぎ、国家を建てることに否と言っており、それを実現するのは神であるということを私たち読者に伝えているように思います。 本日のヨハネによる福音書の4章5節には「わたし(イエス)が与える水を飲む者は決して乾かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水が湧き出る」とイエスが語った言葉が記されています。イエスが与える水とは神の言葉であり、水を飲むとは神の言葉による実践でしょう。「十戒」とか「愛し合いなさい」とか「罪を赦しなさい」という言葉の実践を言うのでしょう。そうすることで永遠の命に至る水が湧き出るというのです。神の言葉を聞き、実践していくことで自分だけではなく、周囲の者にも永遠の命に至る水が提供されていくということです。 わたしたちの危機的状況を救うのは軍隊ではありません。神です。私たちが神の言葉を聞いてそれを実践していくとき、危機的状況は回避され、命を得て、平和へと導かれると思います。今日は母の日です。十戒には両親を敬えとあります。お母様に感謝の気持ちを尊敬をもって表していきましょう。 みなさまの祝福を祈ります。