聖書 サムエル記下4章1~12節
使徒言行録12章20~24節
説教 平和の共同体の心得「弱さが意外な展開になる」
キリスト教の世界的な発展には私は驚いています。キリスト教の中心にはイエスキリストの十字架という、この世からの神の排除あるいはこの世に対する神の弱さとも受け止めることができる出来事があるにも関わらず、現在、この世界でキリスト教徒は20億人とも言われ世界第1位の宗教人口を占めるようになっているからです。排除したのにこんなに多くの人が受け入れているのです。また、力についても例が悪いですが、アメリカがキリスト教国とすると世界最大の軍事力(軍事力は無になってほしいですが)をもった強国になりました。キリスト教はこの世に人智を超えたな意外な奇跡的な発展や展開があるということを知る事案でもあると思います。神の十字架の神秘や奇跡をみているようです。
聖書にはそのような個所が散見されます。本日のサムエル記の個所にもメフィボシェトという足の萎えた人が出てきます。メフィボシェトはサウルの孫(ヨンタンの息子)です。この障碍者のメフィボシェトはイスラエルの内戦(暗殺や裏切り)や外的の戦いの多い時代にも関わらずダビデに守られ生き残っていきます(サムエル記下9章)。さらに驚くなかれ、メフィボシェトの子孫は10代以上続いて行くのです(歴代誌上8章)。
本日の使徒言行録ではキリスト教徒を迫害していたヘロデ王が急死したことが記されています。主の天使が「ヘロデを撃ち倒した」とありますが、恐らく心筋梗塞とか脳卒中とかの病死だったのではないかと思われます(田川建三氏もそのような見解。田川建三訳著:新約聖書 訳と註 2下 使徒行伝)。そして、さらに、その後、4世紀にキリスト教は世界最大のローマ帝国の国教にまで受け入れられたことも歴史的見ますと、迫害から擁護へ奇跡的に展開していったことが聖書の記事とその後の歴史の経過から取れるのではないでしょうか。
弱さが強さへと展開する、そういう逆説的奇跡的希望を聖書と信仰的歴史が示しているようです。私は今でもそのような逆説的奇跡的な出来事が神様(聖霊)によってこの世に(みなさんにはもちろん、この私にもさえ!)現されていることを信じるものです。
弱さが強さに展開される神様と共に生きる暮らし(神の言葉を聞き奇跡を体験する暮らし)を続けてまいりましょう。
みなさまの祝福を祈ります。