聖書 ヨシュア記3章1節~17節、マタイによる福音書6章25節~34節
説教 平和の共同体の心得 「迷い悩む中生き続けるとき」

 イスラエルの民はヨルダン川を渡り、カナンの地のエリコに入ろうとします。そのときの出来事がヨシュア記3章に記されています。民は契約の箱を約1キロ以上前にして進んでいきます。この契約の箱の中には十戒が入っています。これはイスラエルの民は神の言葉に従って歩む民であるということを象徴しているように思えます。さて、そうして進んで行ったとき、ヨルダン川が堰き止めらる奇跡が生じました。乾いた川床をイスラルの民は渡ったとあります。そして、これから入っていくカナンの地は、カナン人、ヘト人、ヒビ人、ペリジ人、ギルガル人、アモリ人、エブス人がいる多民族地域です。そこに契約の箱を民族の先頭にして入っていったというのです。聖書にはこれらの民の前から「完全に追い払ってくださる」(10節)という記述になっていますが、十戒つまり神の言葉に従うことで多民族社会で共存していったと考えた方がいいでしょう。武力攻撃で支配下に置いていったのではないのです。
 本日のマタイによる福音書には、何を食べようか、何を着ようか悩んでいるとき、「まず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものは、みな加えて与えられる」というメッセージです。経済的に困っている時でも神の国と神の義を求めよ。つまり、神の言葉に聞き従え、というのです。略奪したり殺したりするなということなのです。
 自衛のためなら武力行使をよしとする安保法案、国の存立危機状態なら武力行使をよしとする安保法案。聖書は存立危機状態ならなおさら、神の言葉を聞け、従え、守れという。汝殺すな、姦淫するな、盗むな、嘘つくな、両親敬え、これらをやっていくことが、どんな危機的状態のときでも平和な暮らしを続けていくことにつながる、本日の聖書の箇所から、頂いたメッセージです。タイトルは「迷い悩む中生き続けるとき」としましたが、今起こっている安保法案に絡めて述べさせて頂きました。

皆様の祝福を祈ります。