聖書 ヨシュア記2章1節~24節
   ヨハネによる福音書8章1節~11節
説教 平和の共同体の心得 「社会的弱者から受ける支援」

聖書には障害者、孤児、寡婦、やもめ、病人、売春婦や徴税人など社会的弱者が出てきます。彼らは主から特別な扱いをうけるようです。

本日のヨシュア記にも、遊女ラハブという人が出てきます。エジプトからカナンの地を目指して移動してきたイスラエル民。リーダーがモーセからヨシュアに引き継がれ、いよいよカナンの地に入ろうとするときこのことです。この売春婦の女性の家に、ヨシュアがエリコ周辺を探るために送ったスパイ2名が入り、情報を得ることが出来たという話です。
彼女はエリコという国の城壁の内側に張り付けた家に住んでいたとのこと。おそらく彼女は城内の多数の兵士
や役人などと関係をもっていたのでしょう。政治的内部情報も彼女は知っていたのかもしれません。情報源としては豊富な人でかつ自分の国に対して裏切るくらい幻滅していたのかもしれません。イスラエル民が主と共にエジプトから奇跡と共に旅立ち、軍事的にも強い民族であることを知っていたようです。スパイの話を聞いたエリコの王はラハブの家に人を使わしスパイを捜索しますが、彼女は2人のスパイをかくまい、今しがたどこかに行ってしまったと嘘をつき、スパイを助けました。ラハブはスパイに自分の家族一族を助けてくださいと交渉し、約束されました。

本日の新約聖書では、姦通の現場で捕らえられた女が、イエスの前に連れてこられ、「モーセの律法では石打の死刑になるが、どう考えるか?」と律法学者など宗教指導者たちから試されました。イエス「罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げつけなさい」と言いました。すると、誰もできずにその場を立ち去り、イエスとこの女2人だけになりました。イエスは女に言います。「わたしもあなたを罪の定めない。行きなさい。もう、罪は犯してはならない」
このヨハネによる福音書の話は、イエスは罪の赦しを賜る方で罪を犯さないように、と勧める方だということを示すために聖書に採用された箇所だということです。

以上より、聖書には売春婦のような社会的弱者が登場し、主から特別な配慮を受け生きる希望を得ているような記述があります。
わたし自身、売春婦を軽蔑したり、関わりをもたないようにしてしまっています。しかし、そういう社会的弱者の方から、自分が支えられたりすることもあるのではないか、学ぶべきところもあるんじゃないか、と思わされています。

みなさまの祝福をお祈りします。